解雇予告手当は破産手続において一般の債権より優先されるのでしょうか? | 弁護士による会社の再生・破産の法律相談  

解雇予告手当は破産手続において一般の債権より優先されるのでしょうか?

日時 2017.09.13
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解雇予告手当とは、会社が従業員を解雇しようとする場合に、少なくともその30日前に予告をしなければならないことが定められています。但し、この予告に変えて予告期間を短縮しようとする日数分の解雇予告手当を支払うことで、その日数分の予告期間を短縮し、解雇日を繰り上げることができます。つまり、解雇予告手当を何日分支給するかは会社側の判断により、早期に解雇する必要性や一種の退職手当的な要素などを考慮して決めることになります。(労働基準法第20条)

会社が破産した場合に、本来、従業員が受け取ることができた解雇予告手当の破産法上の位置づけについては、一般の債権よりも優先的地位が与えられるかについては議論があります。

即ち、解雇予告手当は、即時解雇の効力を発生させるための給付の性質を有することから、労働の対価としての「給料」には当たらないとして、破産法149条1項の財団債権には該当しない(優先的破産債権として扱う。)との考えもあります。他方、労働者の地位・生活の保障の視点から給料債権に含むものとして一般破産債権よりも優先的な地位(財団債権としての地位)を認めて処理されることもあります。東京地方裁判所では、労働者の当面の生活の維持という法の趣旨や破産手続開始後に解雇された場合との均衡等を考慮して、破産手続開始前3ヶ月間に使用者が労働者に対して解雇の意思表示をした場合の解雇予告手当について、破産管財人から給料該当性を認めて財団債権として支払いたい旨の許可申立てがあれば、適法なものとして許可しています。

よって、財団債権として扱うか、優先的破産債権として扱うかは、破産管財人の判断になります。一般的には労働者保護の視点から財団債権として扱われている例が多い様に思われます。