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会社の破産・再生のトラブルをご検討の方は中村・安藤法律事務所(三越前駅・新日本橋駅徒歩1分)までご相談ください。

会社の倒産を考えていますが,従業員に各種の未払いがあります。賃金については,立替払をしてくれる制度があるそうですが,退職金はどうなるのでしょうか?

条件を満たす場合,一部については未払賃金立替払制度を利用できる場合があります。

1 退職金の基本

 退職金は,日々の労働に対して支払われる賃金とは異なる性格を有するものとされています。そのため,就業規則や労働契約,労働協約や退職金規程等で,あらかじめ退職金支給に関する定めがある場合でなければ,退職金を請求する権利は発生しません。そのため,退職金の請求等を労働者が考える場合,まずは退職金の定めがあらかじめ存在するかを確認する必要があります。

2 破産手続きにおける,退職金の扱い

  破産手続きの中では,債権はいくつかの種類に分類され,優先順位がつけられます。財団債権と呼ばれるものは,破産手続きに拠らずに,破産財団から随時弁済を受けられるとされており,特に優先度の高い債権になります(破産法151条参照)。例えば,破産手続開始前3カ月に生じた,従業員の給料は,この財団債権になるとされています(破産法149条1項)。

  退職金については,退職前3ヶ月分の給料総額,または,破産手続開始前3ヶ月分の給料総額のいずれか高い方額に相当する分まで,財団債権になるとされており(破産法149条2項),この分に関しては,破産手続きの中でも,特に優先度の高い債権として扱われます。

  また,退職金のうち,財団債権にならなかった分についても,一般の債権(破産債権)の中では優先的に扱われる,優先的破産債権となります(破産法98条1項,民法306条2号,民法308条)。

  なお,役員の退職慰労金については,上述の従業員の退職金とは異なり,一般の債権(破産債権)にとどまるとされていますので,注意が必要です。

  このように,退職金の債権は,あらかじめ定めがあって存在が認められる場合,破産手続きの中でも,比較的優先される債権であると言えます。もっとも,破産手続きの中での分配は,あくまで分配できるだけの破産財団がある場合になされるものです。そのため,破産財団が乏しい場合には,優先度が高くても,十分な支払いを受けることはできませんので,立替払いの対象となるか否かが,大きなポイントとなってきます。

3 未払賃金の立替払制度の概要と対象

未払賃金立替払制度とは,企業の倒産によって,毎月の賃金や退職金が支払われないまま退職した労働者に対し,国が事業者に代わって,未払賃金の8割までを立替払する制度です。

  対象となる賃金は,退職日の6ヶ月前から立替払請求日の前日までに支払期日が生じた,総額2万円以上の定期賃金または退職手当です。そのため,1で述べたように,あらかじめ退職金の定めが会社にあり,かつ,上述の立替払の対象となる期間内に生じたといえる場合には,立替払制度で,退職金の支払いを求めることもできます。

  ただし,未払賃金立替払制度には,年齢に応じて,以下の上限額が設定されています。そのため,基準となる期間内に退職金が支払われることになっていても,その額が以下の上限額を上回る場合,上限額以上の金額が支給されることはありませんので,ご注意ください。

 

退職日時点の年齢

①未払賃金の上限額

②立替払の上限額(①の8割)

45歳以上

370万円

296万円

30歳以上45歳未満

220万円

176万円

30歳未満

110万円

88万円

 

  なお,企業が中小企業退職金共済等,社外の退職金積立制度を利用していた場合,社外から直接に従業員に退職金が支払われるため,支払われる分の金額は,未払額から控除される扱いとなっています。

 

  このように,退職金は,条件を満たす部分があれば,未払賃金の立替払制度を利用して,一定額の支払いを受けることができる扱いとなっております。

 

  不明点等があれば,お気軽に弁護士までご相談ください。

 

 

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